ドローン事例紹介 - 漁業 -

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水中を自在に撮影する水中ドローン。

ドローンといえば空中を飛ぶイメージが浮かびますが、水中を撮影する水中ドローンもにわかに注目を集めています。

これまで水中の撮影は人間が潜水して行うのがほとんどでした。潜水は様々な危険を伴います。ボンベを背負っての作業は技術が必要なうえに、長時間の潜水は減圧症などの体調不良を引き起こすことがあります。水中での作業は困難を極めます。
水中ドローンならば、水に入ることなくスマホやタブレットを使って水中を探索することができます。そのおかげで水中探索が容易になりました。
水中ドローンは趣味での利用はもちろんですが、海中にある港湾設備や船底の点検、海洋生物の調査など産業利用としても活用されています。ここでは漁業における水中ドローンの活用事例をご紹介します。

定置網漁業に水中ドローンが利用されています。

使用ドローン

FIFISH V6(qysea社)
高知県では昔から定置網漁が盛んにおこなわれてきました。中でも大規模な「大敷網漁」は江戸時代から続く歴史を持ち、改良を積み重ねて現在に受け継がれてきました。
高知県では室戸市や土佐清水市の沿岸を中心におよそ約30箇所で敷設されています。

大敷網漁は回遊してくる魚が自ら網に入るのを待つ漁法のため、その名の通り広いエリアに仕掛けられます。大型の大敷では網底まで70ⅿ、周囲が1kmを超えるものもあるそうです。
毎日午前と午後の潮止まり時に、数隻の漁船で出漁して引き揚げます。底引き網漁のように、かかった魚を一網打尽にする漁法とは違って、引き揚げの時に大敷網へ入っていた魚を取るので、環境にやさしい漁法といわれています。
主な漁獲物としては、あじ、さば、いわしなどですが、2月から春先には寒ぶりの大群が入ることもあります。

大敷網漁では網のメンテナンスを欠かすことができません。網が破損していないか、定期的なチェックが必要です。水中で行う定置網のメンテナンスは、専門の潜水士に委託したり、組合員が海中に潜って確認をしてきました。
実際に海中へ人間が潜って確認するのはかなりハードな作業です。
海中での長い時間を伴う作業は潜水士の体力を消耗させます。冬など気温が低い環境ではなおさらです。

そして、定置網漁は「待つ漁」というウィークポイントがあります。箱網を上げるまでどんな魚がどれだけ入っているかがわからない、当たり外れのある漁法です。
事前に漁獲量を推測することができれば、「外れ」の確立を下げることができるかもしれませんが、そのためには海中で獲れ高を確認しなければなりません。
そこで、漁業でも水中ドローンが注目されるようになりました。

近年では比較的安価で高性能なROV(カメラ付き潜水ロボット)が「水中ドローン」として各社から次々と発売されているので、現在では漁業や港湾の水中構造物などの点検に利用されるケースが増えてきました。
人間と違って、ドローンは過酷な環境においても水中を存分に撮影することができます。
仕掛けた大敷網を引き揚げる前の時点でチェックするのに水中ドローンは最適です。

これで、仲買業者に対して漁獲量を事前に連絡しスムーズな受け渡しが行えるようになり、魚の数が少ない場合は網上げを見送ることも可能となりました。
また、定置網の汚れや破れ、漂流物の有無など点検作業も、水中ドローンとタブレットPCで船上から確認することが出来るようになりました。

水中ドローンは養殖漁業の現場でも活躍しています。

高知県の須崎湾や大月、愛媛県宇和島、愛南などは鯛やハマチ、マグロなどの養殖が盛んにおこなわれています。

養殖では小割と呼ばれる飼育用の生簀を、波の影響を受けない湾内に設置します。その小割の中で給餌飼育をしています。ここでも、これまで人間が行ってきた過酷な作業が、ドローンによって比較的簡単にできるようになりました。
水中ドローンは、飼育魚の食欲や病気の有無など健康状態のチェック、生簀の底に沈んだ死魚やゴミの回収、生簀の汚れや生簀を海底に固定するアンカーロープの傷みなどの点検に使われています。

水中ドローンが漁業にかかわる方たちの負担を軽減しています。

大敷網漁でも養殖の現場でも、ドローンの登場が漁業に大きな変化を与えようとしています。
近年の水中ドローンは性能が著しく向上しました。水深100mまで潜航が可能となり、長時間稼働(4時間~6時間)、360度全方向への移動と水中ホバリング、高輝度の照明、4Kカメラ撮影、ソナーによる衝突防止システム、10Kgまで耐えられるロボットアームを搭載するなど、水中での撮影だけでなく簡単な作業ができるロボットに進化しています。
使用ドローン

FIFISH V6(qysea社)

機能・特徴

  • 全方位水中ドローンで、4K UHD カメラを搭載しています。
  • 独自の技術開発によって、あらゆる方向へ自由自在に姿勢維持が可能で、直感的に操作ができます。
  • 機体連動のヘッドトラッキングが実現可能になり、VRゴーグルを使用して頭の動きだけで機体の向きをコントロールすることが可能です。
  • 1/2.3” SONY CMOSセンサー、166°FOVワイドアングルレンズ、強力な4000ルーメンのライトで、撮影の難しい水中撮影をサポートします。また、H.265/HEVCおよびDNG(RAW)データにも対応しています。

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