ドローン事例紹介 - 農業 -

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ドローンのセンシング技術が農作物の病害発見に貢献しています。

エレパは高知県土佐市にてショウガ栽培のスマート農業化の取り組みに参加しています。JA高知県や土佐市生姜部会、高知県中央西農業振興センター、土佐市、機器メーカーで構成される「土佐市ショウガスマート農業協議会」に加盟しています。
農林水産省の2019年度「次世代につなぐ営農体系の確立支援」事業のドローン部門を担当しました。ここではその事業についてご紹介します。

ショウガ栽培のジレンマ

温暖で豊かな自然をもつ高知の風土がショウガの栽培に適しているため、品質に定評があり、生産量は全国一を誇ります。(2018年現在)
農作物の栽培で難しいのは病害虫の対策です。ショウガ農家の方々も病害に頭を悩ませています。

ショウガ栽培における病害の発生状況は、農家の方が目で見て判断します。早期発見のためにはできるだけ頻繁に見回らなくてはいけません。
しかし、ショウガの病害菌・ウィルスは土壌に付着している可能性があり、見回る際の靴についた泥から健康なショウガへ病害を伝染させてしまう危険性があります。
ショウガ農家の方々は、病害対策のため細かくチェックしたくても、その行為が病害を広めてしまうかもしれないというジレンマにあるのです。
この問題について、圃場に入ることなくドローンを使って解決できないかと期待・想定し、本事業がはじまりました。

育成状況を細かく分析するスペクトルカメラ。

撮影ドローンのそのほかの機能として「スペクトルカメラ」が挙げられます。

植物が元気な状態と弱っている状態とでは、緑が濃かったり薄かったり、茶色い部分があったりと植物の見た目に変化が生まれます。

そこで可視光に加え、レッドエッジと呼ばれる植物体に当てた時に反射率が大きく変化する波長と、近赤外線の5つのバンドをデータ化させて、植物の診断に活用しようと考えたのがマルチスペクトルカメラです。

スペクトルカメラは、様々な産業で利用されていますが、特に農業分野では農作物や樹木の種類の判別に使われたり、果物の糖度判定に使われたり、植物の生育状況や圃場内の施肥効果の分布を把握するためなど、すでに多くの用途で使用され始めています。
現在、エレパで運用中のセンサーはMicasense社のRedEdge-MXです。
このRedEdge-MXというマルチスペクトルカメラには5つのカメラを搭載しており、それぞれ可視光の青・緑・赤に加えて人間の目には視えないレッドエッジと近赤外線の光(電磁波)を捉えて数値化、イメージ化します。
スペクトルカメラを使うことで、人間が目視だけではみのがしてしまうような微細な変化を記録することができます。ショウガ畑をこのスペクトルカメラで撮影すると、病害の状況だけでなく、育成状況や養分が全体に行き渡っているかなど、たくさんの情報を得ることができます。

スペクトルカメラは、様々な産業で利用されていますが、特に農業分野では農作物や樹木の種類の判別に使われたり、果物の糖度判定に使われたり、植物の生育状況や圃場内の施肥効果の分布を把握するためなど、すでに使用され始めています。
この事業はまだ研究段階ですが、一定の効果が得られる結果が出ています。

その他に数々の論文でも効果が報告されていて、最先端の農業技術として今後に期待がかけられています。
エレパでは、このマルチスペクトルカメラを搭載したドローンと解析ソフトを所有しております。デモフライトや、活用してみたい、導入してみたいという方はお気軽にご相談ください。

広いエリアをオルソ画像で確認。

使用ドローン

MATRICE 200 SERIES V2(DJI社)
*その他、下記の機材を使用しております。

・マルチスペクトルカメラ:RedEdge-MX(Micasense社)
・赤外線カメラ :Zenmuse XT2 (DJI社)
・画像解析ソフト :Pix4Dmapper(Pix4D社)
病害の発生状況や育成状況を空から記録したオルソ画像。
現在は、病害の発生箇所を記録には、手書きの圃場地図や作業者の記憶に頼っている場合が多いと思います。これをドローンで空中から撮影し、正確に詳しく記録し、次年度の耕作や土壌の消毒に役立てようとしています。そのための画像処理技術のひとつにオルソ画像があります。
空から広い圃場を一枚の写真に収めようとした場合、ドローンを高い高度まで飛ばす必要が出てきます。ドローンには航空法などの制限がありますので、高く飛ばす場合にはその場所の法令上の制限を確認して、許可申請などを経なくてはいけません。

また、一か所から広範囲を撮影した場合は、カメラのレンズが湾曲しているので、写真の外側へ行くにしたがって歪みが生まれます。なおかつ、被写体から離れてしまうので、画質が落ちてしまいます。これでは写真を見るより目視の方が効率いいということにもなりかねません。
ドローンを使った航空写真は一筋縄ではいかないのです。
そこで、ドローン撮影では複数の写真を撮影して、後から合成する技術が用いられます。
撮影対象となるショウガ畑が広い敷地にまたがっていても、ドローンの機体に搭載されたGPSなどの位置情報を利用して圃場を等間隔にくまなく撮影します。
こうして撮影した空中写真を地図と同じく、真上から見たような傾きのない、正しい大きさと位置に表示される画像に変換(正射変換)し複数枚の写真を繋げた画像のことをオルソ画像といいます。

さらに、RTK測位などが可能な機種であれば、解析したオルソ画像は地図と重ね合わせたり、距離や面積などを測ったりと、測量にも使えるほど正確になります。
オルソ画像は、農業だけでなく、測量や災害時の調査など、広い分野で活用されています。
使用ドローン

MATRICE 200 SERIES V2(DJI社)

機能・特徴

  • カメラ搭載なしで最大38分間の飛行時が可能です。
  • IP43レベルの防水性能を搭載しているため、飛行中の突然の雨でも安心して操縦することが出来ます。
  • OcuSync 2.0を搭載し、最大8kmの伝送距離で高解像度な低遅延のデジタル映像を伝送します。
  • TimeSyncシステムにより、フライトコントローラー/カメラ/GPSモジュール/RTKモジュールを継続して調整します。
  • 上部と底部に衝突防止ビーコンを搭載しているため、操縦者の安全な飛行の手助けをしてくれます。

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