「とりぱん」

 私が知っている「正岡 子規」は、ある漫画で紹介されていた「仰臥漫録」の解説文「病牀六尺のちっぽけな世界にあっても意識は宇宙にまで飛翔させ得るという精神」と 俳句「鶏頭の 十四五本も ありぬべし」で全部だったりする。その程度の知識しかないのですが、それでも「正岡 子規」といえば私の中では「すごい人」なのです。その想像力のすごさに驚かされます。
 閑話休題
 今回の作品「とりぱん」もものすごい想像力をベースにしてヲチ(ウォッチングのこと)しまくります。岩手県のあるベッドタウンをベースに描かれている作品のようで、その内容は北東北の生活を紹介しながら鳥を中心にイヌやネコに花や虫・そして人間を観察対象とし、独自の目線で描かれる4コママンガなのです。いや、これはかなり強烈です、最強の部類に入ります。だってただのバードウォッチングの4コマ漫画だぞ? 別にどこか奥地に出かけて珍しい鳥を紹介するわけでもなく、あくまで自分ちがベース。漫画の中で紹介されるスペースなんて自宅の庭か近くの公園かスーパーか駐車場とかぐらいしかないんだぞ? どこをどうすればこれが漫画になるんだ? すげえ、すごすぎます。どんだけな想像力を持っているんでしょうか?この作者は…。
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■出版社
講談社
■著者
とりの なん子
■内容(Amazonより)
 野鳥・家庭菜園・猫・方言から、わんこそばやカマキリや夕焼けやガスタンクまで、“日常”のすべてをネタに綴られる北東北ベッドタウン・身の丈ワイルドライフ!
 ちなみに作者は家庭菜園もしています。この作者なのでどっかの雑誌や番組みたいにおキレイな内容でないことは分かってもらえると思います(いわゆる、描いても描かなくてもどうでもいいことだけをチョイスして描いていきます)が、中でも農学部出身の自分としてはよくぞ描いてくれたと思ったシーンがあるのです。
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 よく こんな風景(一般的な田園風景)を見て、「わあー 自然がいっぱーい」と言う人がいるけど(…作者は叫びます!)
 田んぼや畑は「自然」じゃねえ
 去年 仕事場の庭を畑にしようと思ったとき 「うーむ まずは草むしりしないと」
 がっ 甘かった
 それは草むしりどころか むしろ土木工事に近かった
 荒れ地と畑は「石畳」と「布団」ほどにも違うと思い知った
 だから私の自慢は畑の作物よりも このフカフカの畑そのものなのだ
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 ひねくれた私も書かせて欲しい。京都や奈良にある神社仏閣や、首都圏にある最先端の建造物と、高知の田んぼや畑やビニールハウスの何が違うと言うのだ!
 あれ? 誰もそんなこと言ってない?
 失礼しました〜。

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