「ぼくんち」

 どうしてもこの作者の作品は、嫌いな人が多いみたい。毛嫌いされていると言ってもいいと思う。一言でいって「下品」だから嫌だ、と。私は偶然だけど「ちくろ幼稚園」(当時 週刊ヤングサンデーに連載)から読んでいたりする。なので、その当時の印象が強いからなのか、彼女が暴れれば暴れるほど、作品が荒れれば荒れていくほど、切なくなってくる。「ドアの蝶つがいはキシめばこそ油を注いでもらえる」という言葉があります。それを思い出してしまうのだ。彼女が必死でノイズを作り出している姿をイメージしてしまうからだ。でももちろんそんなおセンチなこと作者には言えません。逆にしこたま説教されそうなので。
 It’s a good day to die.(今日は死ぬにはいい日だ)
 日本風に言えば、ネイティブアメリカンのことわざです。あまりにも有名で独り歩きしてしまっている言葉なので、その意味するところは、色んな解釈が存在します。どれが正しいかなんて無意味だと思いますのでここでは放っておきます。ただこのフレーズを触媒として化学反応している作者の言葉があります。働け・勝手に死ぬな・だますな だまされるな、って言われてるのかな? 彼女の作品は、空を見上げるシーンがとても印象的だ。
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■出版社
小学館
■著者
西原 理恵子
■内容(Amazonより)
 どんなに貧乏でも明るく生きるための絵本。ぼくんちにはとうちゃんがいない。かあちゃんもいない。でもぼくらは生きている。にいちゃんとぼくとで生きている。毎日がとっても大変だけど、きっと明日も楽しく暮らせると思う。絶対そう思う。
 なあ、おばあちゃん。
 人は生きててな、
 どこまでがしんどくて、
 どこまでがしあわせなんやろか。
 そらカンタンや。
 食わせてもろてるうちがシアワセで、
 食わせなならんなったらしんどい。
 そのうちええ天気で空が高うて、
 風がように通る、
 死ぬのにちょうどええ日がくる。
 それまでしんどい。

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