100回目:謝辞

 こういった事を書かせてもらえる機会を得られたことに感謝いたします。おかげさまで目標としていた100回目も無事迎えられました。いやほんとに、いざやってみると一週間に一回のアップが精一杯で(最短納期で3日というのがありました。出来るか!そんなの!)、100回目まではがんばって書いてみると決めたのはいいのですが、結局約一年かかってしまいました。ある時などは、紹介する本はすでに決めてしまっているのにどう紹介するのかが思い浮かばない週もあり、このままでは原稿が落ちてしまう! ごはん食べられなくなる!なんて空想しながらブログを書いていたりしました。またそんな時に限って会社から電話がかかってくるんですよね。ほんと、心臓に悪いっつーの(笑)。また自分の本棚を見直すことにもなり、改めて自分の考えや発想が限られた本から発生しているのかを再確認させられました。そんななかでも、このブログも含めていろいろなことの私のネタ帳になっている「イメージ生産の技術」という本を最後に紹介して終わりにしたいと思います。
110918.jpg
■出版社
JICC出版局
■著者
西岡 文彦
■内容(目次より)
I章:イメージの転換術・展開術
 イメージの変幻自在ぶりを体験する17のプログラム。
II章:イメージの納得術・説得術
 イメージをかたちにする、ことばにする。
III章:イメージ観光 [ 東洋編・西洋編 ]
 古今東西のイメージの壮観を眺める12のコース
IV章:イメージの発想術 [ 増感術・想起術・広告術 ]
 イメージ・タンクとしての自分をパワー・アップする。
V章:イメージの構想術 [ 配架術・目次読書術・読み換え読書術・架空読書術・架空出版術 ]
 イメージ・ユニットとしての本の機能を全開する。
VI章:イメージの観相学
 イメージとイマジネーションの原風景を探索する。
 この本のV章で紹介されているフリッツ・ザクスル著「シンボルの遺産」という本があります。原書を私は読んだことがないので内容を鵜呑みにすれば、「内容は美術史を、イメージを語りつぐ芸術の歴史として捉え、隣接する諸科学(宗教史・言語学・人類学等)との密接な関連によって解き明かそうとするユニークな本」であるらしい。ナンノコッチャ、意味分かりません。ただその考えを具現化した「ヴァールブルグ文庫」という四階建ての書庫の存在にものすごく魅せられてしまいました。その書庫はヴァールブルグの思考を基に一階から本が並べられているのだけれども、タイトルやカテゴリよりは本と本とがその内容でつながって配列されているというのです。これは・・・ 想像しただけでも面白くないだろうか。
 「一階は表現とシンボルをめぐる本にはじまり、ここから人類学と宗教へ、宗教から哲学と科学史へと導かれるように配列され、二階には、芸術表現とその理論、歴史をめぐる本が収められ、三階は言語と文学に、四階は人間生活の社会的形態、つまり歴史、法律、民族などに当てられている。それは、ヴァールブルグが生涯にわたって、ときには混乱し、死にもの狂いになって精神の表現、その本性、歴史、そしてそれらの相互関係を理解しようとして闘った痕跡そのものである。」
 「ヴァールブルグ文庫」という存在を簡潔にいえば「本をどう並べるかという事はその人の精神構造を表現する」ってことなのかな? ならば、もし誰かが「貴方という人間はどんな人間なのですか?」と質問されたときに「そこにある本棚の本を端から順番に読んでもらえたら分かります」と言える本棚を持ってみたいものだなと思います。きっとそれは – 大きさは関係ありません – 誇らしい素敵な事のように私は思うのです。

Share

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)