築45年の空部屋で遊んでみた#8

本と電子書籍

店頭営業係 小林

■ヒトは年を取るとメンテナンスが必要となる。自己修復機能がある生物とはいえ、寄る年波には抗いがたく、内科や歯科を始め病院には定期的に年に何度もお世話にならなくてはいけなくなる。

■そして病院に行けば感じると思うが、結構待ち時間が長い時が多い。予約制のところは別だろうが、個人的な経験では短くて15分くらい、長いところでは小一時間ほど待つことになる。

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■さて、ではその間 ぼーっと院内にあるテレビを見ていてもいいのだが、私はたいてい読みたい本を持参している。小一時間なんて丁度「積ん読」していた本を消化するにはもってこいではないか、と考えている。以前はリアルに積んでいた本を持ち込んでいたが、最近はそれが電子書籍に代わってきている。

■内容にもよるが、小説ならiPhoneで手軽にすませてしまう(私はMacユーザーなので端末はiPhoneやiPadが前提)。現在の私のiPhoneは11なので6.1インチの画面サイズ。これくらいあれば小説ぐらいなら充分に楽しめる。マンガや雑誌なら10インチ以上のサイズが欲しいと正直感じる。私のメイン機は12.9インチのiPad Proで、ここまで画面が大きいと何を読むにしてもとても見やすい。よる年波を理由に自宅では全部これで済ましているのだが、といって病院の待合室でこのサイズを利用するのはやっぱり躊躇してしまう。重量のこともあるし、他人様の目線も気になるのだ。

■電子書籍が便利だと感じる点は、同じ内容だけど読む場所に合わせて色々なサイズで読めることが挙げられるだろう。電車の中で読む手頃なサイズと病院の待合室で読むサイズ・自宅で読むサイズは違って当然だと思うが、これからはそんな本が元々持っている物理的な縛りから解放される電子書籍ならではの楽しみ方ができるのではないだろうか。

■あと、置き場所の問題も大きい。これは圧倒的に電子書籍が有利である。特に雑誌系の書籍は定期的に処分する手間が発生するが、電子書籍ならワンクリックで削除できる。逆に置いておきたい小説やマンガなどもiPad1台に全部収められるのは非常にありがたい。

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■でも逆にさみしいな、と感じることもある。本の貸し借りができないところだ。やはり、すごい作品や感動した作品に出会ったら誰かに伝えたくなるものだ。一番簡単な方法はその本を貸してあげる事だと思うが、これができないし、自分以外の人に残しておく事もできない。

■小学生の頃。友達の家に遊びに行ったとき、彼の家には書庫があって、その中で父親が集めたであろう本を読んでいる友達の姿が羨ましいと思ったものだ。電子書籍になればそんな光景も見れなくなるのだろうかと考えると、やっぱりなにか寂しいものを感じてしまう。

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